八百鮮

逸話

MESSAGE
社長メッセージ

[ 創業時の想い ]

ある八百屋の夢のつづき

「若い自分たちが、
夢を語れる場所をつくろう」

感動ある人生を共に生きる、そんな場所を自分たちの手でつくる。それが、私を含めた創業メンバーの間で学生の頃から話し合っていたことです。 バブルの崩壊を幼少期に迎えた私たちは、平成の「失われた30年」とも言われる時代に大人になりました。その間、経済格差は広がり、自然は壊され、社会全体の連帯感が希薄になっていくなど、暗いニュースばかり。そうした空気の中で夢を語ること、それすらも笑われてしまうような息苦しさを感じながら私は学生時代を過ごしていました。 だけど、果たして世界はこのままでいいのだろうか。大人たちが私たちに夢見ることを許してくれないのなら、自分たちの手でそんな場所をつくろう。その反骨にも似た気持ちが、起業の道のはじまりでした。

「自分らしさを発揮することは
簡単ではないけれど」

その後八百屋を起業した私たちには、「感動を届けること」「鮮度にこだわること」のほかに大切にしていることがあります。そのひとつが、一人ひとりの個性です。ひとつの職場で誰もが自分らしさを発揮することは、簡単なことではありません。しかし、八百屋という業態の中にはたとえ小さな店舗の中にも、魚を寡黙に捌く職人のような仕事も、お客さまと直接顔を合わせて接客する仕事も、しっかりと数字を管理する仕事もあります。求められる役割が幅広いということは、それだけ多様な人が集い、輝けるということ。年齢も、性別も、生い立ちも、ハンデの有無も関係なく、自分らしく働ける舞台だと思うのです。私たちが仕入れの権限を各店舗に委ねているのもそのため。各店舗の責任者がそれぞれの個性を存分に活かして商売をしてくれたら、それが一番八百鮮らしいと考えているからです。

八百屋を日本で一番かっこいい仕事に。

「時代が変わっても、
変わらないものがあります」

テクノロジーは日々進化をつづけ、5Gによる通信も間もなく当たり前になる今、お買い物のデジタルシフトがますます加速していくことは間違いありません。他の小売業と同じく、八百鮮もまた、販売スタイルの転換を図るときが必ずやってくるでしょう。
しかし、どれだけデジタル技術が進化しても、いつもと同じ場所でいつものように買い物をする安心感や、コミュニケーションをとる喜び、共感をしたときの幸せといった、私たちがずっと大切にしてきた店頭でのアナログなやり方が廃れることはありません。
「もの」よりも「ひと」を大切にすること。自分たちだけでなく、お客さまも、生産者も、市場もみんな幸せにすること。そんな八百鮮の本質は、これからも変わることは決してありません。オンラインが増えていくからこそ、手触りのある温かさへの欲求も高まっているように感じます。
ひとつの野菜が生まれるまでのストーリー、生産者の想いといったものの伝え方が、時代に合わせて変化していくだけ。いま、私たちはそんなふうに考えています。
デジタルの良さとアナログのよさ、それぞれを活かしながらよりよい社会をつくっていく。そしていつの日か、八百屋を日本で一番かっこいい仕事にしたいと夢を見つづける八百鮮に、これからもどうぞご期待ください。

株式会社八百鮮 代表取締役